同調圧力からみえてくる「社会」と「世間」と、SNS

読んでも、聞いても、客観的であり主観的な考えも入っていて、なんてすばらしいんだ！と思う人の一人に、鴻上尚史さんがいます。

鴻上尚史さんのメイン登壇者として講演する「同調圧力とエンパシー」 なるものを聴いてきました。

「同調圧力」ときいて、最近のわかりやすい例は、国の「マスクしなさーい」という号令のもとに「はーい」とほぼ100％に近い人が一斉にマスクをしたというのがあります。

その時に働いたのが同調圧力で、「だれか『もぅマスクしなくてもいーよー』と言ってくれないかなー、でも文句言われるの面倒だから取り敢えずマスクしとこー」っていうのが今の同調圧力だろうな。

と思っていたら、鴻上さんも同じようなことを話されていました。

そして講演の冒頭で話されていたもう一つが、「社会」と「世間」の違いです。

 

「社会」と「世間」と、SNS

私の解釈する世間というのは、今じゃあまり機能しなくなってきている向こう三軒両隣、回覧板を回すくらいの距離にいる人たちのことです。

会社に行けば近くの席の人や同じ部署、よく合う人、SNSのDMを送りあう仲の物理的な距離の人です。

そして社会というのは、簡単に無視できるひとたちのことで、例えば電車の中やスーパーなどいちいち人目をきにしなくていい距離にいるひとたちのことを指します。

世間と社会はあいまいで、社会にいるのにばったり知っている人たちに会えばその場は世間になるし、世間で立ち話してて「じゃ」と別れた背中はお互いよそ行きの背中だった、なんていうのは社会です。

 

私は世間と社会と、SNSの繋がりととても似ていると常々思っています。

例えば実名で顔写真のわかるFacebookは世間だし、匿名性が高くてアイコンがあいまいなTwitterは社会です。

Facebookで語られているのは知っている人たちの日常で、「あの人こんな物食べてる」「あんなところ行っている」と知ることができます。

 

Facebookが日本ではやり始めたころに「SNSは売れない！！」みたいな話題が良く出たけれど日常を語っているところにいきなり

「セミナー売ります！参加費●●円！！」

「眠れないあなたにグッスリ枕を、どこよりも格安でご提供します」

広告みたいな投稿したり、広告だしたりしても「誰も買わないよ！」ってなりますよね。

SNSの特性を知らないと「SNSは売れない！！」となるわけです。

さすがに最近はそのような広告はみかけなくなりましたが、「反応が悪いですね！もっと広告出しましょう」というようなアドバイスをしてくる人は警戒したほうが良いかもしれませんね。

 

#metoo は、Facebookでは起こらない

話を戻しましょう。

Twitterで語られているのは浅い知り合いの広い情報で、#イマソラ とか 定番もあるし、トレンドになっている話題をしることができます。

逆にTwitterで顔も名前も知らない同士が深くつながりあうこともありますが、浅く広い知り合いだからこそ起こるムーブメント（ここでは仮にムーブメントとします）があります。

そのムーブメントは大きくなりがちで、#metoo #オリンピック2020 など共感や共有できるものがあれば、ハッシュタグについている言葉で社会にどばーっと拡散していきやすい傾向があります。

例えば、#metoo は今まで沈黙されてきた問題を多くの人が公表することで、世の中を変えていこうとする動きから生まれた運動で、身近な人にこそいいにくいセクシャルハラスメントや性的暴行の被害が主なる話題の運動です。

身近な人にこそいいにくい＝世間にこそいいにくい。

でも、Twitterは社会。顔の見えない人たち、社会にならいえる、という事ありますよね。

Twitterはいいことも、悪いことも拡散しやすい。

逆に #metoo は、Facebookでは起こらない。

なぜならば、Facebookは世間だから。

 

ということを踏まえると、Facebookは同調圧力が働きやすい傾向があって、Twitterは同調圧力が起きにくい傾向がある、ともいえるわけです。

なーんて、いうことをちょっとでも知っておくとこれからSNSに向き合う気持ちが変わってくるでしょ。

 

SNS初心者向け連続講座を8月から開催します。

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などなど。

毎月1講座1時間、忙しいあなたも1時間なら時間作ってみてね。

詳しい内容は今後のブログでご紹介します。

気になる人、参加したい人、世間の目を気にせず意思表示してくださいね。

 

ところで、鴻上尚史さんの講演「同調圧力とエンパシー」良かったですよ！